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~観光立国推進基本計画の新たな宿泊目標に関して~インバウンド コラム 第3回 2023年4月11日

2023年3月31日に「観光立国推進基本計画」が閣議決定された。今回の目標の中のインバウンド回復の部分で、訪日外国人旅行者一人当たり地方部宿泊数を2泊という目標が新たに定められた。今回はここにフォーカスしたい。

肝は、「地方部と2泊」である。例えば地方の温泉旅館に1泊していた外国人を2泊にするというイメージである。旅館の食事は1泊2食が基本であるので、まず、食事に関して朝食は2泊とも同じ内容でも構わないが(理想は、和食・洋食が選択できればいい)、問題は夕食にある。よくある温泉旅館ではメインの食事(例えば豚肉が鶏肉に変わるなど)が少し変わる程度で、後の内容は全く同じというパターンが多い。一泊一人5万円以上の高級宿泊施設は臨機応変に食事内容を変えてくれるところもあるが、食材の調達の関係や、調理人の都合でほぼ同じ内容となる所が多い。これでは、せっかく時間をかけて地方に来てくれた外国人に対して楽しみにしている食事に、幻滅感を与えてしまいかねない。

そこで提案であるが、同じ温泉街で協調して、2泊目の食事は同じ温泉街であれば、違う宿で食べられるようにするのは、どうだろうか?泊食分離という議論も良く聞かれる話であるが、やはり食事をして、アルコールを飲んでいただくお客様が一番おいしいお客様であるので、その部分はたっぷり地元にお金を落としてもらうというのが良いと思う。勿論支払いは、サイン一つ。チェックアウトの際に、違う宿での食事代・飲み物代も払えるようにすることも必要である。

その為には、旅館同士、旅館の調理人同士の連携が必要で、メニューが宿によって重ならない事が必要であることと、宿同志が情報交換していくことも必要となる。協働がうまくいけば名物料理を皆さんで開発することも可能かもしれない。

温泉自体のお湯の効能や湯量など、同じ温泉街なら、ほぼ温泉についての変化はない。あとは施設の豪華さや、従業員のサービスで、この部分では各社切磋琢磨することは必要であるが、2泊以上宿泊客を泊めるなら、温泉街の共同・協調が必要と考えるのである。


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